Q. 更年期につらい不調が起きるのはなぜ?
A. 老化の早い卵巣が脳からの指令に応えられず脳がパニックを起こした結果です。更年期は、症状の出るしくみを知れば怖くない! 閉経前後には、これまでに経験したことのない不調が表れます。婦人科系とは一見関係がなさそうな多岐にわたる症状も。すべてが「女性ホルモンが急激に減ったから」では説明がつかないと思いませんか? 多種多様な不調が起こるのは、脳が卵巣の老化に気づかずに「ホルモンを出せ出せ」と指令を出し続けるせい。その指令に卵巣が応えてくれないので、脳はパニック状態に。全身をつかさどる脳が本来の役割を果たせなくなり、体のいろいろな機能に支障をきたします。それが更年期の不調の正体です。
Q. 症状が出る人、出ない人の差はどこに?
A. 要因が重なっている人は特につらい症状が出やすい では、症状の強さや表れ方に個人差があるのはなぜでしょう? 女性ホルモンが急に減少するという直接的な要因に加え、その人が持っている体質や気質、そのときの生活環境が複雑に絡み合い、症状が出やすくなってしまうのです。
介護、職場でのストレス……環境要因は影響大
特に影響が大きいのは、環境要因。親の介護でストレスが大きくなったり、寝不足が続いたり、あるいは職場でのセクハラやパワハラ、家族との関係の悪化などが引き金となり、急に症状が出てくることは少なくありません。 逆に、嫌な職場から解放されただけで症状が急に改善された、というのもよくある話。更年期を過ぎてから「あぁ、あれが不調の引き金になっていたんだ」と気がつく人も多いのです。
Q. ホットフラッシュの原因は?
A. 女性ホルモンの低下によって自律神経が乱れ、体温調整がうまくいかないことが原因 更年期不調で特に多いホットフラッシュやのぼせは、自律神経が乱れることが直接の原因です。自律神経は、血管を収縮・拡張させて体温を調節する働きも担っているからです。 活動時や日中に活発になる「交感神経」と、安静時や夜に活発になる「副交感神経」、ふたつがシーソーのようにバランスよく働いているのが自律神経の健全な状態ですが、このバランスが崩れるとトラブル発生。快適なはずの気温でも暑いと感じ、「熱を放出せよ」と指令が下ります。すると、急にほてりやのぼせが起きたり汗が噴き出したり……。のぼせと冷えを繰り返す「冷えのぼせ」が起きている人も。
Q. ホットフラッシュの対処法は?
A. マイナス感情に引きずられないで。周囲にカミングアウトしたほうが気がラクになることも 不快さのあまり症状のことばかり気にしていると、生活全部が負の感情に支配されがち。命にかかわる病気ではなく、一時的なものだと考えて、気持ちを前向きにできるといいですね。 外出先でホットフラッシュが起きるかも、汗がいっぱい出て恥ずかしいかも……という心配は、逆に症状が出る引き金に。準備を整えて余裕をもち、「大丈夫♪」と心に余裕を持ってゆったり構えてみましょう。 また、人に知られたくないという緊張感が、かえって症状を引き起こすこともあります。思いきって周囲にも「更年期だから汗が出るの」と言ってしまうほうがラクになる場合も。 とはいえ、日常生活に支障があるような場合は迷わず婦人科へ行って下さい。HRT(ホルモン補充療法)で女性ホルモンを物理的に増やすことで、根本的な改善をすることも可能です。ひどい症状はガマンしすぎずないようにしましょう。